世界的研究によれば、急性虚血性脳卒中患者の治療でステント血栓切除術を追加すると身体障害が低減

アイルランド・ダブリン--(business wire)--(ビジネスワイヤ) -- 米テネシー州ナッシュビルの国際脳卒中学会(isc)で本日発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(nejm)誌のオンライン版に掲載された研究によれば、現行の薬剤治療にsolitaire™デバイスによるステント血栓切除術を追加することで、脳卒中患者における身体障害を顕著に低減できることが示されました。 「急性脳障害における血栓溶解時間の延長(動脈内)」(extending the time for thrombolysis in emergency neurological deficits - intra-arterial (extend-ia))、「スモールコア/近位部閉塞虚血性脳卒中の血管内治療」(endovascular treatment for small core and proximal occlusion ischemic stroke (escape))の両臨床試験は、メドトロニック(nyse: mdt)が制約なしの助成金による援助を提供し、研究者主導で行われたもので、主にsolitaireを現行の薬剤治療、すなわちiv-tpaに追加した場合を評価したものです。escapeでは316人の患者を評価し、治療群の患者において機能的自立回復率(脳卒中による死亡率/身体障害発生率の低減)が高く、従来のiv-tpa単独による治療と比べて脳卒中による死亡リスクの低減が示されました。機能的自立度は統計的な有意性をもって改善し(53% vs 29%)、患者の53%が治療後に機能的自立を回復しました。escapeでは統計的な有意性をもって脳卒中による死亡率の低減が示され、死亡率の低減は2分の1近くとなっています(10% vs. 19%)。 同様に、extend-ia(患者70人)では、iv-tpa単独で治療した場合と比べ、solitaireによる治療を受けた患者は機能的自立回復率の統計的に有意な改善(71% vs. 40%)を示しました。 extend-iaでは、脳卒中による死亡の低減について、強力ではあるが統計的に有意ではない傾向が示されました(solitaire群で9%、iv-tpa単独群で20%)。さらに、solitaireによる治療を受けた患者では、入院やリハビリから帰宅・仕事復帰するまでの期間が有意に短縮しました(15日 vs. 73日)。本研究では、24時間後の再疎通率について、solitaire群では100%、iv-tpa単独群で37%と、統計的に有意な改善を実現しました。 uclaゲッフェン・メディカルスクール神経科の教授でucla総合脳卒中センター長のjeffrey l. saver医師(md、faha、faan、fana)は、次のように述べています。「solitaireステント血栓切除術は実に良い働きを示しました。これは急性虚血性脳卒中の治療を根本的に変えるものです。」 escapeおよびextend-iaは、2014年12月にnejmに掲載された試験「オランダにおける急性虚血性脳卒中の血管内治療を対象とする多施設ランダム化臨床試験」(multi center randomized clinical trial of endovascular treatment for acute ischemic stroke in the netherlands、mr clean)の知見を確認するものとなりました。mr clean試験でも、急性虚血性脳卒中(ais)の早期治療の段階でステント血栓切除術を追加することで、良好な神経学的転帰の確率が倍増することを示しています。 メルボルン大学のブルース・キャンベル医師(bmedsc、mbbs (hons)、fracp、phd)は、次のように述べています。「escapeおよびextend-iaの画期的な結果は、脳卒中の治療法に大きな変化が必要であることを示すものです。私たちが得た知見は、ステント血栓切除術の安全性と効果について、決定的な証拠を提示しています。」 escapeおよびextend-iaはいずれも、良好な結果を理由に、安全性評価委員会の指示で早期に終了しており、solitaireによるステント血栓切除術の利点を示しています。虚血性脳卒中患者の脳に血流を回復させるためのsolitaireデバイスは、患者に代替療法を提供するものです。多くの患者はiv-tpa治療にも適しませんが、その理由は3時間以内という治療開始のタイムウインドウを逃したり、血栓が大きすぎて薬剤治療では溶解しきれない最重度の脳卒中である大血管閉塞ないしaisを発症したりするケースがあるからです。その結果、ステント血栓切除術が最も実行可能な治療選択肢となっています。 カルガリー大学のマイケル・ヒル医師(bsc、msc、md、frcpc)は、次のように述べています。「広範な患者基盤を基に、血管内治療、特にステント血栓切除術の利用を支持する臨床証拠が、反論できない形で蓄積されています。ガイドラインは変更されるはずです。」 extend-iaおよびescapeは、メドトロニックのsolitaireデバイスが脳への血流を回復させ、脳卒中による死亡率と身体障害の発生率を低減し、患者が入院期間やリハビリセンターを利用する期間を短縮する点で、効果があることを示しています。両試験は安全性の評価項目も満たしています。solitaireデバイスは極小サイズのカテーテルを使用して、下肢切開部から脳卒中部位の動脈にアクセスします。solitaireデバイスは脳卒中部位に到着すると、直ちに血流を回復し、脳卒中の原因となる血栓の除去に力を発揮します。 メドトロニックの神経血管事業担当プレジデントのブレット・ウォールは、次のように述べています。「solitaireの有力なデータそのものが雄弁に物語っています。本日発表されたデータはステント血栓切除術の顕著な利点を示すものです。脳卒中治療で本デバイスが必要とされていることは明らかです。」 世界心臓連合によれば、脳卒中は世界における死亡の主因として5番目につけており、世界で600万人近くの死因となっています。 メドトロニックについて アイルランドのダブリンに本社を置くメドトロニック(www.medtronic.com)は、医療技術の世界的リーダー企業として、世界中の何百万人もの方々のため、疼痛の緩和、健康の回復、寿命の延長に努めています。 将来見通しに関する記述は、メドトロニックが証券取引委員会に提出した定期報告書に記載しているものなど、リスクと不確実性の影響を受けます。実際の結果は予想された結果と大きく異なる場合があります。 本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。
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